3/09/2008

走る

名古屋国際女子マラソンで、高橋尚子が北京オリンピックで
実質残り一人となった出場枠を掛けて走った。

レースが始まってそう時間が経たないうちにテレビをつけた。
でもその時点でもう彼女が一位でレースを終えることはないと確信できた。
テレビに映る高橋尚子は見るからにペースが遅くて、顔色も悪い。
どんどんとトップ集団から離されていく彼女を見て痛々しくも思った。
だけど沿道でそのレースを見守る人たちは、多くの人たちが期待してたであろう
姿とは異なるQちゃんをずっと一生懸命応援していた。

レース前から高い注目を集め、夜中のスポーツニュースでも
特集が多く組まれていた。 僕が見たある番組の中で彼女は
『今までに応援してくれた人たちに、恩返しが出来るようなレースをしたい。』
という言葉を繰り返し話していた。
自分の記録云々ではなくて、当然そこにも相当なこだわりはあるんだろうけれど、
それよりもずっと自分を応援してくれた人たちをモチベーションに走るという言葉を
聞いて、多くの人が選手生命をかけた最後のレースになるのだろうと感じていたと思う。

そのレース結果は2時間44分18秒の27位
彼女の気持ちはもちろん僕にはわからないけれど、
本当に悔しかっただろうと思う。
でもゴール直後、すぐにサングラスを外し、観客に一礼する姿は
あまりに潔くて、なんだか寂しくなった。
もしかしたら悔しかったのは俺たちも一緒なのかもしれないな。
応援していた人たち皆が北京で走る高橋尚子の姿を見たかったんだろう。
レースの結果から半月板の手術や調整ミスというようなことを
言われているけれど、でも大切なことはそんなことじゃない。
確かに結果は惨敗だったかもしれないけれど
それでも走り続けた高橋尚子からまた多くの人たちが
勇気をもらったことだろうと思う。
レース後、まだ走りたいと引退をきっぱりと否定した。
どれほど彼女は僕たちに勇気を与えてくれるんだろう。

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